大判例

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大阪地方裁判所 昭和54年(ワ)3443号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

そこで、右認定の事実のもとに考えてみるに、原告は、本件事故に基く後遺症(前記のとおり、同表一四級一〇号に該当する程度のもの。)に起因する健康上の支障を発端として、自らの意思を介在させた上、退職するに至つたものというべきであるが、このような場合に、本件事故に基く右後遺症と退職との間における因果関係の存在を全く否定し去つてしまうのは、相当ではない、と考える(東京高等裁判所、昭和五〇年六月一〇日判決、交民集八巻三号六五五頁参照)。しかしながら、他面において、原告の後遺症は、前記のとおり、同表一四級一〇号にしか該当しない程度のものであるのみならず、前記のとおり、原告の自発的意思が、前記退職の決定に際し、寄与する余地を全く持つていなかつたものとはいい難い実情(換言すれば、休職すること等で賄えなかつたものか否か)に照らし、かつ、これに、原告が、その年令(前記のとおり、前記退職当時、満六〇才)その他からいつて、他に再就職することが可能であつたという点等を付加して、総合考慮してみると、原告の前記嘱託先の失職に基く損害のすべて(二年間分)を容認してしまうのは適当ではなく、原告の前記後遺症の内容と程度(前記の、休職の可能性の存在等)、経験則上予測される、原告とほぼ同一年令の男子に相応な再就職探索期間、その他諸般の事情に鑑み、当初の三ケ月間をもつて、前記嘱託先の収入(前記のとおり、本件事故当時と同一)の一〇〇%を喪失したものとし、その後は、ほぼ二年間にわたつて、五%程度、右収入(前記のとおり、本件事故当時の収入)を喪失したものとし(すなわち、被告らのいわゆる、通常の算定基準による。)、以上の限度における損害額をもつて、本件事故と相当因果関係の存する損害とするのが相当である。と考える。そうすると、次の算式のとおりとなる(但し、円未満は、計算段階毎に切捨て、二年間分のホフマン係数は、少数点第五位以下を切捨てる、なお、三ケ月分のホフマン係数は、計算上煩に過ぎるので、考慮しない。)。

算式(428万2110÷12×3)+(428万2110×0.05×1.8614)≒146万9062

因に、厳密にいえば、右二年間の最後の三ケ月分については、前記嘱託先の収入によるべきではなく、再就職先のそれ(不明の時は、賃金センサス)によるべき筋合であるが、計算上煩に失し、かつ、実益に乏しいので、便宜、前記のとおり、算定する。

(柳澤昇)

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